【やりすぎ?】片耳5DDのバケモノイヤホン「KZ Decet」徹底レビュー!Taurus&Galeとも比較

みなさんこんにちは。ガジェットバジェットの、なおです。

突然ですが、皆さんは「ダイナミックドライバー(DD)」がイヤホンの中にいくつ入っているか、意識したことはありますか?通常は1基、多くても2基程度が一般的です。


しかし、今回ご紹介するオーディオブランド「KZ」の有線イヤホンは、なんと片耳に5個、左右合計で10個ものダイナミックドライバーを搭載しているという、まさに規格外のバケモノ製品です。それが昨年3月に発売された「KZ Decet(デセット)」。



「ダイナミックドライバー10個」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、ハンバーガーに例えるなら「ミートパティが10枚挟まっている」ような状態です。そりゃやりすぎでしょうよ!と思わず笑えてくるレベルの詰め込み具合ですよね。


私はShanling M5 UltraなどのDAPを使用しており、平面駆動やDDなど様々なドライバーの音を聴き比べてきましたが、スペックシートを見た瞬間に「これはいつか絶対に聴いてみたい」と強いロマンを感じていました。


今回は、この超弩級イヤホン「KZ Decet」を実際に購入してエージングを行いましたので、その「超濃厚サウンド」の全貌を徹底レビューします!さらに、記事の後半では同じくKZの注目モデルである「Taurus」と「Gale」との比較も行いますので、あなたにぴったりの1本を見つける参考にしてください。


デザインと外観について


まずはKZ Decetのデザインと外観、そして驚きのスペックについて見ていきましょう。


Amazonで購入して手元に届いたパッケージは、いつものKZ製品と比べても明らかに一回り大きく、ブランド側の「気合」のようなものを感じました。内箱を引き出すと、黒光りする重厚なハウジングが姿を現します。



ハウジングのデザインは、同社の「KZ Vader」に少し似た系統のフェイスプレートを採用していますが、非常に高級感があり、5,600円(税込)という価格帯のイヤホンには全く見えません。ビルドクオリティは文句なしに高いです。


そして、手にとってまず驚くのがその「サイズ」と「重量」です。

キッチンスケールで重さを計ってみたところ、なんと片耳で12gもありました。最近流行しているイヤーカフ型のイヤホンがだいたい片耳5g前後であることを考えると、倍以上の重さです。


それもそのはず、このハウジングの中には以下のような恐ろしい構成が詰め込まれています。


* ドライバー構成: 5DD(8mm × 2基、6mm × 3基)

* インピーダンス: 15Ω(標準モデル)


8mmのダイナミックドライバーが2つ、6mmが3つ。これらが隙間なく配置されているため、物理的にハウジングが巨大化するのは必然と言えます。

なお、コネクタは0.75mmのQDCタイプを採用しておりリケーブルも容易。標準で付属しているイヤーピースが、私の大好きな「フォームタイプ(ウレタン製)」だった点も、密閉度を高めてくれるため非常に好印象でした。


使用感とメリット


エージングを終え、いよいよKZ Decetの音を聴いてみます。


サウンドの第一印象は……「圧倒的、超濃厚」。

私が大好きな、ドス黒いまでのこってり系サウンドです。例えるなら、伝説のすた丼に天下一品のこってりスープをぶっかけて猫まんまにしたような、胃もたれ寸前の超濃厚な音圧が耳に流れ込んできます(もちろん、最高の褒め言葉です)。


これだけ複数のダイナミックドライバーを鳴らすと、通常は帯域が被って音が濁ったり破綻しそうなものですが、しっかりと統制が取れており「ギリギリで破綻していない」のがKZのチューニングの凄まじいところ。

15Ωとインピーダンスは低めなのでスマートフォンでも鳴らしやすいですが、出力インピーダンスの特性にこだわる方にも面白い変化をもたらすかもしれません。


このイヤホンの最大のメリットは、「テンションを爆上げしたい時の短期決戦用」として右に出る者がいない点です。

仕事の休憩時間や、気合を入れたい時に、Mötley Crüe(モトリー・クルー)やIron Maiden(アイアン・メイデン)といったハードロック/ヘヴィメタルを爆音で脳に叩き込む。怒涛の如く押し寄せるベース音とツーバスの荒波に揉まれ、ひとしきりヘドバンかまして「ふぅ…」と息を吐く。そんな非日常的なトリップ感を、たった5,000円台で味わえるのは最大の魅力です。


BGMとして静かに「ながら聴き」するピースフルな世界とは対極にある、刺激を求めるオーディオジャンキーのためのイヤホンと言えます。


気になった点(デメリット)


一方で、これだけ尖った製品ゆえの明確なデメリットも存在します。


まず1つ目は「長時間のリスニングには全く向かない」ということです。

音の密度が高すぎることと、低音域(ベース音)の圧が強烈すぎるため、1時間も聴き続けると「聴き疲れ」を起こします。良くも悪くも情報過多なのです。


2つ目は「装用感(フィット感)の厳しさ」です。

片耳12gという重量級ボディと巨大なハウジングは、耳の小さい方だとそもそも上手くフィットしない可能性があります。フォームタイプのイヤーピースで無理やり固定している感覚もあり、長時間装着していると物理的にも耳が疲れてきます。


これらの点から、KZ Decetは「メインで一日中使うイヤホン」を探している万人にはおすすめしにくいのが正直なところです。


まとめ


最後に、今年の福袋とともに開封した「KZ Taurus」「KZ Gale」も含めて、それぞれの特徴とおすすめのユーザー層をまとめます。


KZ Decet(実売約5,600円)

特徴: 片耳5DD搭載。常識外れの超濃厚・重低音ドンシャリサウンド。

おすすめな人: とにかく迫力ある低音を浴びたい人。短時間で音楽の世界に没入(トリップ)したい人。ロマンを追求する変態ガジェット好き。



KZ Taurus(実売約3,480円)

特徴: 片耳2DD搭載(8mm×2)。KZらしからぬ、素直で優等生的なまじめサウンド。インピーダンスは36Ωと少し高め。

おすすめな人: デザインの美しさを重視する人。変な癖のない、フラット寄りの聴きやすい音を求めている人。


KZ Gale(実売約2,400円)

特徴: 1DD搭載。高音がスコーンと抜け、低音がソリッドな非常にバランスの良い音。ゲーミング定位も良好。

おすすめな人: コスパ最優先の人。普段使い用、持ち歩き用、ゲーム用など、雑に扱っても最高のパフォーマンスを出してくれる「相棒」を探している人。


同じ「KZ」というブランドでありながら、この3機種は全く異なる個性を持っており、聴き比べるのが本当に楽しい時間でした。特にGaleの完成度とコスパには驚かされましたし、Decetの「やりすぎ感」は所有欲を強烈に満たしてくれました。


今後もKZの面白い製品には期待大ですね!気になった方はぜひチェックしてみてください。

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それではまた、次のガジェットでお会いしましょう。

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