みなさんこんにちは。
ガジェットバジェットの、なおです。
今回は、ついに「清水の舞台」から飛び降りる覚悟で購入してしまった、新しいオーディオ機器のお話です。
正直なところ、やってしまった感はありますが、後悔はしていません。
なぜなら、どうしても聴いてみたい「あの音」があったからです。
今回は、新たに導入したデジタルオーディオプレーヤー(DAP)、Shanling M5 Ultra の開封と、その技術的な魅力について詳しくご紹介します。
はじめに:なぜ今、専用プレーヤーなのか?
みなさんは普段、どのように音楽を聴いていますか?
最近はスマートフォンの性能も上がり、そこそこのイヤホンを繋ぐだけでも十分に良い音が楽しめます。「スマホで十分だよ」という意見もごもっともですし、私自身、普段使いにはそれで満足している部分もあります。
しかし、オーディオ好きとしてどうしても無視できない存在があります。それが「旭化成」です。
「え? 旭化成って、あのサランラップの?」と思われた方もいるかもしれません。そうです、あの有名な旭化成です。正確には、グループ会社の旭化成エレクトロニクス株式会社が、オーディオ機器の心臓部とも言える「DAC(ダック)」チップの製造において、世界的に非常に重要な役割を担っているのです。
今回は、その旭化成が誇る最高峰のサウンド、「ベルベットサウンド」を体験するために、専用プレーヤーの導入に踏み切りました。
オーディオの心臓部「DAC」とは何か
ここで少し、専門的なお話をさせてください。
私がこだわっている「DAC」とは何なのでしょうか。
DACは Digital to Analog Converter の略称で、デジタル信号をアナログ信号に変換する装置や回路のことを指します。
・ CDや配信データ: 「0」と「1」のデジタルデータとして記録されています。
・ DACの役割: デジタルデータを読み取り、電気的なアナログ信号に変換します。
・ 出力: アナログ信号がアンプで増幅され、スピーカーやイヤホンから「音」として流れます。
スマートフォン、PC、ゲーム機、Bluetoothイヤホンなど、デジタルで音を扱うあらゆる機器には、必ずこのDACが搭載されています。そして面白いことに、このDACチップにはメーカーごとの「味」があると言われているのです。
デジタルなのに「音の味」が変わる不思議
「0と1のデジタルの世界なのに、メーカーによって音質が変わるの?」と不思議に思うかもしれません。しかし、各メーカーの音作りへの思想やアプローチの違いが、最終的な音質に大きく影響します。
・ Cirrus Logic社: クールでバランスが良い傾向
・ ESS Technology社: クリアでパワフルなサウンド傾向
・ 旭化成エレクトロニクス: 原音重視で、「まるでそこにいるかのような」臨場感(ベルベットサウンド)
私はこれまでいくつかのオーディオ機器を使用してきましたが、実は旭化成のDACを搭載したモデルは持っていませんでした。日本メーカーが掲げる「原音重視」の世界、一度は聴いてみたいと思いませんか?
購入トラブルを経て…Shanling M5 Ultra 到着!
そんな憧れを抱きつつ選んだのが、Shanling M5 Ultra です。
実はこの製品、昨年末にAliExpressで注文していました。
しかし、支払い完了から10日経ってもステータスは「発送準備中」のまま。しびれを切らしてショップに連絡したところ、直後に「発送済み」になったものの、数日後に「メーカーから入荷できない」との理由で強制キャンセル・返金処理になってしまいました。
(一瞬、発送済みとなったのは何だったのだろう…?)
海外通販あるあるとはいえ、2週間近く待たされた挙句のキャンセルは精神的ダメージが大きかったです。
結局、確実性を取って翌日配送のAmazonで買い直しました。価格は約95,000円。まさに清水の舞台からのダイブですが、無事に手元に届いた喜びはひとしおです。
開封の儀:外観と付属品チェック
それでは、いざ開封していきましょう。
パッケージは高級感があり、箱の裏蓋にはビロードのような加工が施されています。本体を取り出すと、ずっしりとした重量感が手に伝わってきます。
付属品一覧
・ 本体: Shanling M5 Ultra
・ USBケーブル: Type-A to Type-C
・ 液晶保護フィルム: 2枚(1枚は予備)
・ ドキュメント類: 保証書、日本語対応マニュアル、製品カタログ
付属品は必要十分といったところでしょうか。早速保護フィルムを貼り、電源を入れてみます。Android OSではなく独自OSを採用しているため、起動は非常に高速です。
本体のサイズ感
・ 縦: 約12cm
・ 横: 約7.5cm
・ 厚さ: 約2cm
・ 重量: 約255g(MicroSDカード込み)
コンパクトとは言えませんが、オーディオ専用機らしい頼もしいサイズ感です。
技術仕様:M5 Ultra の中身を深掘り
ここからは、このプレーヤーの凄さを技術的な側面から解説していきます。なぜこの価格なのか、その理由がスペックに表れています。
1. 旭化成フラッグシップDAC「AK4499EX + AK4191EQ」
本機の最大の特徴は、旭化成のフラッグシップチップセットを採用している点です。
・ AK4191EQ: デジタル信号の処理を担当
・ AK4499EX: アナログ信号への変換を担当
通常は1つのチップで行う処理を、2つのチップに完全に分離しています(セパレート構成)。これにより、デジタル処理に伴うノイズがアナログ回路に影響するのを徹底的に防ぎます。
さらに、電源系統の分離、クロック設計、基盤レイアウトも高度化・複雑化するため、この構成を採用する製品はどうしても高価になりますが、その分、圧倒的なS/N比と純度の高い音が期待できます。
2. 怪物級のアンプパワー
アンプ部には、解像感の高さと素直な音質で定評のある TPA6120A を採用しています。
特筆すべきはその出力パワーで、1100mW というポータブル機としては怪物級の数値を叩き出します。これなら、駆動力が求められる大型ヘッドホンでも余裕を持って鳴らせそうです。
3. シンプルを極めたシステム構成
・ OS: Shanling独自のLinux系OS
・ ディスプレイ: 4.7インチ タッチスクリーン
・ 機能: Androidアプリの追加インストールは不可(Tidalのみ対応)
・ 接続: 3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス、USB、Bluetooth
Androidではないため、Apple MusicやSpotifyなどのアプリを自由に入れることはできません(Tidalには対応しているようです)。しかし、これは「余計な処理をさせず、純粋に音質を追求する」というピュアオーディオ的なアプローチと言えます。
知っておきたい注意点:インピーダンスの「1/8ルール」
スペックを見ていて一つ気になった点があります。それは出力インピーダンスが少し高めであることです。
オーディオ界隈には「1/8ルール」と呼ばれる指針があります。これは、「プレーヤー側の出力インピーダンスは、イヤホンのインピーダンスの8分の1以下が望ましい」というものです。
例えば、高インピーダンスのヘッドホンであれば問題ありませんが、一般的な低インピーダンスのイヤホンや、マルチBA(バランスド・アーマチュア)型のイヤホンを接続する場合、マッチングに注意が必要です。条件を満たさないと、せっかくのベルベットサウンドが歪んだり、音がボケたりする可能性があります。
M5 Ultraの3.5mmシングルエンド接続を使用する場合、計算上は 38Ω以上 のイヤホンであれば安定して駆動できると考えられます。手持ちのイヤホンとの相性は要確認ですね。
今後の検証予定
今回は開封とスペック解説がメインでしたが、次回はいよいよ実聴レビューを行います。
比較対象として考えているのは以下の機材です。
・ Hidizs AP80-PRO-X (DAC: ESS9219C 搭載)
・ FiiO Echo mini (DAC: CS43131 搭載)
・ FiiO BTR7 (USB-DACとして比較)
これらはエントリークラスの製品ですが、価格差やDACメーカーの違い(ESS vs Cirrus Logic vs 旭化成)によって、音質にどのような差が出るのかを検証するには良い比較対象になると思います。
・ 旭化成の「ベルベットサウンド」は本当に感じられるのか?
・ DACチップの違いだけで音質は変わるのか?
・ エントリー機とミドルレンジ機の価格差は音に現れるのか?
そして何より、私の耳でその違いを聞き分けることができるのか、それとも高額オーディオはただのロマンなのか。
忖度なしでレビューしていきますので、次回の更新もぜひご期待ください。
それでは、また。次のガジェットで。


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